本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

2022-01-01から1年間の記事一覧

『図説プロイセンの歴史』を読む

『図説プロイセンの歴史 伝説からの解放』(セバスチャン・ハフナー著、魚住昌良監訳、川口由紀子訳、東洋書林、2000年)を読んだ。 プロイセン=ドイツととらえる方も多いかとおもうので、はじめに簡単に説明しておくと、「プロイセン」はバルト海に面した現在…

『物語ウクライナの歴史』を読む

緊急で黒川祐次の『物語ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』(中公新書、2002年)を読み終えた。著者は、1996年から99年まで駐ウクライナ大使を務めたウクライナ通。ウクライナの歴史についていろいろな資料を調べているのは当然のことだが、それらの扱い…

アルバイト先に退職希望を伝える

今週、アルバイト先に退職希望を伝えた。時期をどうするか会社との微調整が残っているが、希望としては、今月いっぱいで退職を考えている。 新宿のアルバイト先に退職希望を伝えた そもそもの退職の動機は、2月に異動した新宿の職場の業務内容が細かいPC操作…

人形との心の交流、内田善美の『草迷宮・草空間』を読む

『星の時計のLiddell』(集英社、1985年~86年)に続いて、内田善美のもう一つの代表作『草迷宮・草空間』(集英社、1985年)を読んだ。人間の心をもった市松人形とその人形を拾った大学生・草(そう)の話。「草迷宮(そうめいきゅう)」というタイトルからして、内…

子羊のトマト煮込みに挑戦

5月があわただしかったので、今週はアルバイトの有給休暇をとって、自宅でちょっとのんびり過ごしている。 ということでふらっと近所のスーパーをのぞいてみたら、ラム・チョップ(骨付きの子羊肉)を安売りしていたので、子羊料理に挑戦することにした。レス…

幻の作家・内田善美の『星の時計のLiddell』を読む

何年振りかで内田善美のコミック作品『星の時計のLiddell』(集英社、1985年~86年)を読んだ。 コミック・ファンでも内田善美を知る人は少なくなったのではないかとおもうが、1974年にデビューし、1986年『星の時計のLiddell』第三巻刊行を最後にコミック界か…

恵比寿『モナリザ』でフランス料理をいただく

たまには、凝ったおいしい料理の話題。 先日、知人の招待で恵比寿のフランス料理店『モナリザ』で食事をした。店はJR恵比寿駅から徒歩5分もかからない距離で、恵比寿神社の裏の一画の穴場のような場所にある。ミシュラン一つ星獲得ということで、知人推奨の…

横光利一の短編集を読む

横光利一(1898年<明治31年>~1947年<昭和22年>)の代表的短編小説と中編小説を集めた『日輪・春は馬車に乗って』(岩波文庫、1981年)を読んだ。横光利一の名前は知っていても、今まで作品を読んだことがまったくなかったのだが、きっかけとなったのは森敦。横…

はじめてのハリッサ料理に挑戦

友人から地中海地方の調味料ハリッサ・ペーストをもらったので、今日は夕食で、らせん状のショート・パスタ<フジッリ>とハリッサを使った料理をつくってみた。 ハリッサをつかったなんとなくプロヴァンス風の料理に挑戦 はじめての挑戦なので具材をどうする…

傷ついて育った若者たちの心理ドラマ、吉田秋生の『詩歌川百景』

2019年に連載開始された吉田秋生のコミック『詩歌川(うたがわ)百景』第2巻(小学館)を読んだ。物語は前作『海街diary』の裏話で、『海街diary』の主人公・浅野すずの義理の弟・和樹が主人公。ただし人物関係は非常に複雑で、すずと和樹は父と母がそれぞれ子連…

今春最後のラケナリア

ラケナリア・ムルティフォリア(Lachenalia multifolia)が開花した。私が育てているラケナリアのなかでは最も遅い開花。これで今年のラケナリアのシーズンも終わりだ。 花は、約7cmの花茎の先端にハケ状に固まってついており、長い雄蕊と紫色の花粉がアクセン…

死の舞踏をつむぐ森敦の『われ逝くもののごとく』

森敦(1912年<明治45年>~89年<平成元年>)晩年の1987年に刊行された長編小説『われ逝くもののごとく』(1991年、講談社文芸文庫)を読んだ。山形県庄内地方を舞台にした叙事詩的な大作だ。 森の伝記を調べると、配偶者が庄内地方出身で、このため月山で一冬を過…

ハローワークで転職を相談

2月にはじめた新宿での現在のアルバイトはあまりにも消耗するので、昨日、思い切ってハローワークに行っていろいろ相談し、新しい仕事に応募することにした。これとて決まるかどうかは分からないが、現状がすこしでも良くなってくれればいいなとおもっている…

カプチーノをおいしく飲むためのデカダンな実用性

本日はアルバイト休み。ということで昨晩は帰宅してからすこし精神的なゆとりがあったので、自分で生クリームを泡立て、細長い専用カップでフレッシュ・クリームたっぷりのカプチーノ・コーヒーを飲んだ。 この細長いカップで飲むカプチーノは至極の味わい …

知人が亡くなって一年

本日は、昨年五月に亡くなった歌人・小説家・評論家、Sさんの命日だ。Sさんが東京に住んでおられたころご自宅にうかがって古典和歌や歌舞伎のことをいろいろ教わったので、移住先の長野県で突然亡くなったと伺って驚いたことを、今でもありありと思いだす。 …

白いトリトニアがようやく開花

南アフリカの中型球根植物、トリトニア・パリダ(Tritonia pallida)が咲き始めた。細長い花茎の先端にクリーミー・ホワイトの花を数輪つけている。花弁は、先端が6枚に分化しているが基部で癒合している。花茎の長さは約20cm。葉は幅約1cmで細長い。自生地は…

コドノリザ・コリンボサが開花

南アフリカのアヤメ科球根植物、コドノリザ・コリンボサ(Codonorhiza corymbosa)が開花した。細長い葉のつけ根から花茎が分化し、その先に青紫の小さな花が房状についている。草丈は約15cm。個々の花は直径2cmほどで、6枚の花弁が星形に広がる。花弁の内側に…

青い花と白い花だけの幻想的な家

寓居のまわりはいわゆる庭付き一戸建ての家が多いのだが、そのなかにとても気になる家が一軒ある。垣根にツルバラが茂っていてなかは見えないのだが、玄関にも植物があふれている。それが、青い花と白い花ばかりで、なんだかそこだけ幻想の世界のような気が…

本然の姿とは?ーー森敦『月山』を読む

森敦(1912年<明治45年>~89年<平成元年>)の『月山』(1974年<昭和49年>、河出書房新社)を読んだ。1951年<昭和26年>)に森が山形県の月山で一冬過ごした体験にもとづく作品集で、同年の芥川賞受賞作。このとき森は62歳で、62歳での芥川賞受賞は、当時高齢受賞の…

自分でクリームを泡立ててケーキを食べる

本日は、買ったばかりのミニ五徳があるだけでなく休みで時間もたっぷりあるので、夕食後、エスプレッソ・コーヒーを淹れながら自分でクリームを泡立て、フレッシュクリームをいっぱいそえたフルーツケーキを食べた。これまでエスプレッソを淹れるときは、抽…

ラケナリア・コンタミナータが開花

南アフリカの球根植物ラケナリア・コンタミナータ(Lachenalia contaminata)が少しずつ咲き始めた。南アフリカ、ケープタウン近郊の海岸や内陸部の比較的広い地域に自生しているキジカクシ科の植物だ。花は白で先端が褐色がかった紫色。草丈は約15cm。葉は細…

同僚から仕事を辞めるというメール

連休だというのに、今日もまた冷たい雨になってしまった。遅い朝食をとってぼんやりしていたら、渋谷区の職場から一緒に新宿区の現在の職場に異動した友達から、明日で仕事を辞めるというメールが入った。 新宿で仕事をしている同僚が明日で退職 以前の記事…

森敦の講演録『十二夜 月山注連寺にて』を読む

森敦(1912年<明治45年>~89年<平成元年>)の講演録(実業之日本社、1987年)を読んだ。この本は、森敦の晩年に、芥川賞受賞作『月山』の舞台となった山形県庄内地方の寺・注連寺で行った連続講演の記録。小説『月山』には、主人公の生い立ちやなぜ月山で一冬過…

霧島天南星がひっそり開花

キリシマテンナンショウ(霧島天南星、Arisaema sazensoo)がひっそり咲き始めた。霧島連山をはじめとする九州の山林に自生しているテンナンショウ属の植物だ。仏炎苞は褐色で、まれに緑色の個体もある。花茎(花序柄)が短く仏炎苞が地面から直接伸びているよう…

清楚なラケナリア・バックマニイが開花

南アフリカの球根植物ラケナリア・バックマニイ(Lachenalia bachmanii)が開花した。ケープタウン近郊の内陸部の狭い地域に自生しているキジカクシ科の植物だ。花色は白で清楚な感じ。6枚の花弁がはっきり開き、雄蕊と雌蕊がよく目立つ。ラケナリアとしてはめ…

ラケナリア・ナマクエンシスが開花

南アフリカの球根植物ラケナリア・ナマクエンシス(Lachenalia namaquensus)が咲き始めた。南アフリカ北西部でナミビアと接するナマクアランド(Namaqualand)西部の内陸地帯に自生しているキジカクシ科の植物だ。 種まきから3年半かけてラケナリア・ナマクエン…

庭植えの姫浦島草が開花

ヒメウラシマソウ(姫浦島草、Arisaema kiushianum)が咲き始めた。九州地方と山口県など中国地方の一部の林の中に自生しているテンナンショウ(天南星)属の植物だ。種小名のkiushianumは、「九州地方の」という意味のラテン語。 庭植えの姫浦島草が咲き出した …

小さな五徳でとっても快適

先日、アマゾンで偶然ガスコンロの通常の五徳の上に載せて使う小さな鍋用の五徳を見つけ、さっそく購入したら、コーヒーを淹れるのがとても楽になった。 小さな五徳を見つけて、コーヒーを淹れるのが快適 寓居で飲むコーヒーはいつもエスプレッソで(普通のド…

新しい翻訳校正を開始

今日は自宅で18世紀フランスの唯物論を代表する作家Hの作品の翻訳を校正した。私がこの作品の翻訳を始めたのは10年以上前になる。最後まで翻訳したのちそれを共同翻訳者に委ねていたのだが、その方の作業が終わったので、今度は訳稿をもう一度読み直して欲し…

薄緑のラケナリア・ヴァンジリアエが開花

小さな球根植物ラケナリア・ヴァンジリアエ(Lachenalia vanzyliae)が咲き始めた。南アフリカ、西ケープ州のやや内陸部に自生しているキジカクシ科の植物だ。花はやや緑がかった白色で、下向きの花が1本の花茎に房状に咲く。葉はやや幅広く、横に広がる。葉に…