本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

森敦の講演録『十二夜 月山注連寺にて』を読む

森敦(1912年<明治45年>~89年<平成元年>)の講演録(実業之日本社、1987年)を読んだ。この本は、森敦の晩年に、芥川賞受賞作『月山』の舞台となった山形県庄内地方の寺・注連寺で行った連続講演の記録。小説『月山』には、主人公の生い立ちやなぜ月山で一冬過…

霧島天南星がひっそり開花

キリシマテンナンショウ(霧島天南星、Arisaema sazensoo)がひっそり咲き始めた。霧島連山をはじめとする九州の山林に自生しているテンナンショウ属の植物だ。仏炎苞は褐色で、まれに緑色の個体もある。花茎(花序柄)が短く仏炎苞が地面から直接伸びているよう…

清楚なラケナリア・バックマニイが開花

南アフリカの球根植物ラケナリア・バックマニイ(Lachenalia bachmanii)が開花した。ケープタウン近郊の内陸部の狭い地域に自生しているキジカクシ科の植物だ。花色は白で清楚な感じ。6枚の花弁がはっきり開き、雄蕊と雌蕊がよく目立つ。ラケナリアとしてはめ…

ラケナリア・ナマクエンシスが開花

南アフリカの球根植物ラケナリア・ナマクエンシス(Lachenalia namaquensus)が咲き始めた。南アフリカ北西部でナミビアと接するナマクアランド(Namaqualand)西部の内陸地帯に自生しているキジカクシ科の植物だ。 種まきから3年半かけてラケナリア・ナマクエン…

庭植えの姫浦島草が開花

ヒメウラシマソウ(姫浦島草、Arisaema kiushianum)が咲き始めた。九州地方と山口県など中国地方の一部の林の中に自生しているテンナンショウ(天南星)属の植物だ。種小名のkiushianumは、「九州地方の」という意味のラテン語。 庭植えの姫浦島草が咲き出した …

小さな五徳でとっても快適

先日、アマゾンで偶然ガスコンロの通常の五徳の上に載せて使う小さな鍋用の五徳を見つけ、さっそく購入したら、コーヒーを淹れるのがとても楽になった。 小さな五徳を見つけて、コーヒーを淹れるのが快適 寓居で飲むコーヒーはいつもエスプレッソで(普通のド…

新しい翻訳校正を開始

今日は自宅で18世紀フランスの唯物論を代表する作家Hの作品の翻訳を校正した。私がこの作品の翻訳を始めたのは10年以上前になる。最後まで翻訳したのちそれを共同翻訳者に委ねていたのだが、その方の作業が終わったので、今度は訳稿をもう一度読み直して欲し…

薄緑のラケナリア・ヴァンジリアエが開花

小さな球根植物ラケナリア・ヴァンジリアエ(Lachenalia vanzyliae)が咲き始めた。南アフリカ、西ケープ州のやや内陸部に自生しているキジカクシ科の植物だ。花はやや緑がかった白色で、下向きの花が1本の花茎に房状に咲く。葉はやや幅広く、横に広がる。葉に…

構成がすごい丸谷才一の『樹影譚』

丸谷才一の『樹影譚』(文春文庫、1991年)を読んだ。「鈍感な青年」「樹影譚」「夢を買ひます」の3篇からなる短編小説集だ。 最初の「鈍感な青年」は私が鈍感なせいか良さがよく分からなかったが、表題作「樹影譚」と「夢を買ひます」はとてもおもしろかった…

砂川文次『ブラックボックス』を読む

砂川文次の新作小説『ブラックボックス』(講談社、2022年)を読んだ。今年はじめの第166回芥川賞受賞作だ。砂川文次の作品が気になったのは、前作『戦場のレビヤタン』(文藝春秋、2019年)の記事でも書いたが、自衛隊に入隊し、退官後に小説を書き始めたという…

独特の形のムサシアブミ(武蔵鐙)が開花

庭に植えたムサシアブミ(武蔵鐙、Arisaema ringens)が咲き始めた。日本と近隣の東アジアに自生しているサトイモ科植物で、日本の自生地は近畿地方以西。テンナンショウ属の植物だが、そのなかでは花のように見える仏炎苞の形が独特で、馬具の鐙をひっくり返…

ふしぎな形のムロウテンナンショウ(室生天南星)が開花

小雨のなか、独特のふしぎな形をしたムロウテンナンショウ(室生天南星、Arisaema yamatense)が開花した。テンナンショウは、日本をはじめとするアジアや北米の一部に自生するサトイモ科の植物。地域によってさまざまな変異があり、このムロウテンナンショウ…

たくましいキルタンサスが開花

南アフリカに自生している球根植物キルタンサス・ファルカトゥス(Cyrtanthus falcatus)が咲いた。ヒガンバナ科で、南アフリカの東端クワズール・ナタル州に自生。南アフリカのキルタンサス自生地域は広く、地域によって生育サイクルが異なるが、ファルカトゥ…

奇妙な原種グラジオラスが開花

南アフリカに自生している原種のグラジオラス、グラディオルス・ウイシアエ(Gladiolus uysiae)が開花した。草丈15cmくらいのコンパクトな植物。花の形がかわっており、蘭のようだと表現されることが多いが、私にはマンドリルの顔のようにも見える。園芸で栽…

原種グラジオラス、カリナトゥスが開花

南アフリカに自生している原種のグラジオラス、グラディオルス・カリナトゥス(Gladiolus carinatus)が開花した。花茎も葉も細長く、高さは約70cm。原種グラジオラスとしては大型。寓居の花は薄紫色だが、自生地が広いため花色は黄色に近いものまでいろいろあ…

鮮明な青紫のモラエア・ロウブセリが開花

アヤメ科の球根植物モラエア・ロウブセリ(Moraea loubseri)が開花した。南アフリカ西ケープ地方州海岸部の都市ランゲバーン(Langebaan)付近の一部地域のみに自生している貴重種。葉は細長く、花茎の高さは30cmくらい。 花は直径3cmくらい。花色は鮮明な青紫…

鶏尾アヤメが開花

ケイビアヤメが開花した。学名はIris suaveolensで、「快い香りがするイリス」の意味。和名は、葉が湾曲して鶏の尾(鶏尾)のように見えることに由来する。自生地はバルカン半島南部から小アジア半島にかけて。花茎は非常に短く、花は地面から直接咲いているよ…

ラペイロウジア・ヤッキニーが開花

アヤメ科植物、ラペイロウジア・ヤッキニー(Lapeirousia jachuinii)が開花した。自生地は南アフリカ。花弁の下の部分がとても細くて長いが、南アフリカにはこの形状にうまく合致した口器をもつ昆虫がいて、細い部分のつけ根まで器官を伸ばして蜜を吸い、受粉…

モラエア・フェルグソニアエが開花

アヤメ科の球根植物モラエア・フェルグソニアエ(Moraea fergusonae)が開花した。南アフリカ・ケープ地方の標高が低い一部地域に自生している。葉はやや幅広でねじれがある。花茎の高さは15cmくらい。 花は直径2cmくらい。花色はくすんだクリーム色。朝咲いて…

モラエア・トリペターラが開花

アヤメ科の球根植物モラエア・トリペターラ(Moraea tripetala)が開花した。花茎の長さは30cmくらい、花の直径は5cmくらい。花はアヤメに似た形で、花色は薄紫。細長い葉は葉脈が柔らかく、寓居で鉢植え栽培している株の場合、直立せずに地面に垂れるが、花茎…

砂川文次『戦場のレビヤタン』を読む

今年の第166回芥川賞受賞作『ブラックボックス』の著者・砂川文次が気になって、まずはその前作『戦場のレビヤタン』(文藝春秋、2019年)を読んでみた。単行本『戦場のレビヤタン』は、中編小説「戦場のレビヤタン」(2018年)と「市街戦」(2016年)の2作を収め…

ポーランド史関係の翻訳を終える

去年の11月に始めた分割期のポーランド史関係のテクストの翻訳が、ようやくほぼ完了した。今回は以前翻訳した同じ著者のテクストと合冊にし、前のテクストの訳文や註の見直しも同時に行ったので、テクストの分量のわりには、意外と時間がかかった。文字数で…

慣れない状態に慣れてきた

今日で、アルバイトが渋谷区から新宿区の勤務先に変更になりちょうど2カ月たった。 職場が新宿区に変わって2カ月たった 2カ月たって、新しい仕事に慣れない状態にも、なんとなく慣れてきた。ほんとうは、今日も人が足りないから出てほしいと依頼があったのだ…