2024-01-01から1年間の記事一覧
先日、新宿紀伊國屋書店の哲学書関係のコーナーで『実存主義者のカフェにて 自由と存在とアプリコットカクテルを』(サラ・ベイクウェル、2016年、向井和美訳、紀伊國屋書店、2024年) という本を見つけたので、タイトルに惹かれてさっそく購入して読んでみた…
8月30日から新宿眼科画廊で男性を題材にした作品を描いている6人の作家によるグループ展『益荒男戯画』が始まった。 新宿で男性を描いたグループ展が始まった 出展者は、TORAJIRO、成瀬ノンノウ、shinji horimura、亀井徹、六原龍、SIN5の各氏。共通項は男性…
イタリアの歴史家マリア・ベロンチの『ミラノ ヴィスコンティ家の物語』(1956年、大條成昭訳、新書館、1998年)を読んだ。1261年~1447年の約200年間に、12代にわたってミラノを支配したヴィスコンティ家の人々の生い立ち、性格や権力争いを紹介した年代記だ。…
19世紀イタリアを代表する作家アレッサンドロ・マンゾーニの『いいなづけ』(平川祐弘氏訳、河出文庫、2006年)を読んだ。スペインに支配されていた17世紀のミラノ公国(当翻訳ではミラーノと表記されている)の田舎町レッコに住む若い男女が結婚し家庭を築くま…
堀田誠三氏のほ(名古屋大学出版会、1996年)を部分的に再読した。今回読んだのは本書の後半で、ピエトロ・ヴェッリ(1728年~97年)、チェーザレ・ベッカリーア(1738年~94年)の思想を紹介した第二部「ミラノにおける啓蒙思想の展開」だ。 フランス思想を受けい…
ミシェル・フーコーの代表作の一つ『監獄の誕生 監視と処罰』(1975年、田村淑氏訳、新潮社、1977年、以下『監視と処罰』と略記)を読んだ。『監視と処罰』を読むのは今回が初めてかとおもっていたら、巻末に1992年読了と自分の書き込みがあった。なので今回が…
『警察の誕生』(菊池 良生、集英社新書、2010年)を読んだ。日本とヨーロッパの<警察>の歴史をコンパクトにまとめた本だ。 はじめに用語について説明しておくと、日本語の<警察(いわゆるポリス)>は明治以降に生まれた概念(行政組織)で、菊池氏が書いていると…
堀田誠三氏の『ベッカリーアとイタリア啓蒙』(名古屋大学出版会、1996年)を読んだ。著者は、日本におけるイタリア啓蒙思想研究の第一人者。本書の叙述の中心はタイトルにもなっているチェーザレ・ベッカリーア(1738年~94年)の思想だが、他にルドヴィコ・ア…
『ヴェネツィアの歴史 共和国の残照』(永井三明、刀水書房、2004年)を読んだ。タイトルのとおり、697年の誕生から1797年の滅亡まで、ヴェネツィア共和国の11世紀の歴史を描いた作品だ。 ヴェネツィアの社会相が詳細に描かれている とはいえ、この作品は、時…
『大黒屋光太夫 帝政ロシア漂流の物語』(山下恒夫、岩波新書、2004年)を読んだ。天明二年(1782年)に駿河湾沖で遭難してアリューシャン列島のアムチトカ島に流され、さまざまな苦難の末に寛政四年(1792年)日本に帰還した伊勢の船頭・大黒屋光太夫(宝暦元年<17…
DVDでフランス映画『インドシナ』(レジス・ヴァルニエ監督、1992年)を観た。フランスが植民地として支配していた1930年代のヴェトナムを舞台にした作品だ。 1930年代のヴェトナムを描いた『インドシナ』 ヴェトナムの大ゴム園の領主エリアーヌ(カトリーヌ・…
小林茂文氏の『ニッポン人異国漂流記』(小学館、2000年)を読んだ。鎖国中の江戸時代に、暴風雨のために漂流して外国に流れ着き、そこから帰還した人々の記録を読み解いて、彼らが何を感じたのか、また彼らの記録を読んだり話を聞いたりした当時の人々はそこ…
昨日、アルバイトの帰りに新宿の紀伊國屋書店を覗いたら、<哲学・思想>の売場の新刊コーナーに、小訳『精神について』(仮題)が並んでいた。出版までいろいろなことがあったが、時間をかけて翻訳した甲斐がある。 訳書が書店に並び始めた ようやく出版までこ…
マルセル・プルーストに続いては、シャック・プルースト(1926年~2005年)の『16~18世紀ヨーロッパ像 日本というプリズムを通して見る』(山本淳一訳、岩波書店、1999年)を読んだ。 J・プルーストの力作『16~18世紀ヨーロッパ像 日本というプリズムを通して…
学会大会2日目の23日は、昼から総会が開催された。総会では新入会員の紹介をはじめさまざまな議事が執り行われた。 2日目はフランス革命についての研究報告が行われた 午後からは、また自由論題の研究発表とフランス革命に関する共通論題の発表。全部の発表…
23日の朝は小雨。ホテルの窓から見える近隣の光景が気になり、ホテルがある江戸堀の街並みを少し散歩してから再び中之島をまわることにした。 23日の朝は小雨 すると、中之島だけでなく、ホテル周辺にも、貴重な古い建物が幾つか残っていた。 江戸堀コダマビ…
今回は寄り道が多かったので、3時過ぎにようやく学会大会の会場である大学のキャンパスに着いた。 学会会場の大学キャンパス この大学に来たのは今回がはじめてで、しかもキャンパスがとても広かったので、どこで学会をやっているのか会場を探すのにかなり戸…
淀屋橋からやや方向を転じて、次に大阪市立東洋陶磁美術館に向かった。 東洋同時美術館で寄り道 私は焼き物(器)が好きなので、大阪に来るたびにこの美術館が気になっていたのだが、なかなか訪れるチャンスがなく、この機会にじっくり同美術館を観てまわるこ…
22日は朝早く目覚めたので、とりあえずホテルの近くを散歩して、気に入った店があったら、そこで朝食をとることにした。 とりあえずフェスティバルホールを目指すことにした。 私が止まっていたウェリナホテル 中之島 WEST(右)は、中之島の大阪フェスティバ…
21日の夜は、大阪在住の友人から、『精神について』出版を祝って一緒に食事をしたいという誘いがあり、堂島川のそばにあるお勧めレストランJUTURNA(福島区)で会食した。 JUTURNAは、テーブルから堂島川が見わたせる絶好のロケーション <JUTURNA>という店名はローマ神</juturna>…
21日(金)から23日(日)まで、関西に行ってきた。メインの目的は大阪の大学で開催された某学会の大会への参加だが、その前に古都の大学に立寄り、私が翻訳した『精神について』を受け取った。今回は、何回かに分けてこの関西旅行の様子をご紹介したい。 さて21…
本日、古都の大学から私が翻訳(共訳)した『精神について』(仮題)の翻訳者用サンプルが届いた。予想してはいたが、770頁あるのでけっこう分厚い。 古都の大学から翻訳した本のサンプルが届いた 内容紹介代わりに、本書の巻頭に私が書いた<訳者からのメッセー…
マルセル・プルーストの長篇小説『失われた時を求めて』~第三篇「ゲルマントのほう」を読んだ。前半は高遠弘美氏の翻訳(光文社文庫)で読んだのだが、高遠氏の翻訳が途中で止まっているので、後半は鈴木道彦氏の翻訳(集英社文庫)で読んだ(厳密に書くと、高遠…
鎌倉見物が終わったので、今度は妹や姪のためのお土産探し。まずは、若宮大路にある骨董店・八万堂に立寄った。この店は大正末期に創業した古い店だが、明治期につくられた印判手の小皿を1,000円くらいから販売しているので、鎌倉に行くと、ここでふだん使い…
北鎌倉から歩いて鎌倉方面に向かったが、途中で右に折れ、かつて山を切り開いて往還路にした亀ヶ谷坂切通しで寄り道をした。鎌倉に向かう現在の本道は、観光客がぞろぞろ歩いていたが、切通しはほとんど人が通らない。しかも暗くてひんやりしていて別の世界…
プルースト『失われた時を求めて』の読書を中断しているあいだに、加賀乙彦の短編小説集『イリエの園にて』(集英社、1980年)を読んだ。加賀が愛するプルースト、ドストエフスキー、トルストイらの作家ゆかりの場所を訪ねた印象をもとにした幻想小説集だ。収…
8日は、妹と一緒に鎌倉を散策した。 妹は山形県に住んでいるのだが、横浜に嫁いだ次女(私の姪)が孫を出産したので、孫の顔を見に横浜に来て、ついでにちょっと足を伸ばして鎌倉を見物したいと希望を伝えてきた。当日は午後2時に、まずは北鎌倉駅前で待ち合わ…
昨日は、DVDでフランス映画『冒険者たち』(1967年、ロベール・アンリコ監督)を鑑賞した。この映画、劇場では観たことがなくて、今回が初見。ともかく、パイロット・マヌー役のアラン・ドロン、エンジニア・ローラン役のリノ・ヴァンチュラ、アーチスト・レテ…
順番だからということで、4月に、私が住んでいる地域の自治会の役員を引き受けることになったのだが、先日、前の役員から自治会の事務に必要な書類やファイルを大量に引き継いだ。受け取った資料等があまりにもたくさんあって、どこから手をつけたらいいか、…
自分の翻訳『精神について』の最終校正が今ようやく終わった。細かい修正や索引選びなどがあったので、最後は、ゲラがフセンだらけになってしまった(笑)。 翻訳の最終校正が終わった この本の最終校正の本来の締め切りは28日だったのだが、その後細かい変更…