本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

新しい翻訳校正を開始

今日は自宅で18世紀フランスの唯物論を代表する作家Hの作品の翻訳を校正した。私がこの作品の翻訳を始めたのは10年以上前になる。最後まで翻訳したのちそれを共同翻訳者に委ねていたのだが、その方の作業が終わったので、今度は訳稿をもう一度読み直して欲しいというのが、今回の校正までの大まかな経緯だ。うまくゆけば、この本は来年3月までに出版される予定だが、分量が原稿用紙1,500枚くらいあるので、さっと読むだけでもかなり時間がかかる。

内容は、「人間を行動に駆り立てるものは何か」という問題だが、著者はそれを「欲望と快楽である」と断言し、人間が高尚な精神によって行動していることを否定しているため、カトリック側が道徳の崩壊につながると問題視し、出版直後に焚書処分を受けたことで有名な本だ。

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新しい翻訳校正を開始、分量が多いので大変だ

単独訳ならば、読みながら自分で気になるところをどんどんなおしていけばいいのだが、この翻訳は共同作業で、用語や文章についての相手の考え方もあるので、直し方が難しい。そのうえタイムリミットがあるので、作業はかなりしんどい。気を入れてやらなくてはいけないなとおもっている。