本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フォークナー『死の床に横たわりて』を読む

フォークナー(1897年~1962年)の『死の床に横たわりて』(佐伯彰一訳、筑摩書房<世界文学全集所収>)を読んだ。フォークナーが『響きと怒り』に続いて、1930年に発表した小説だ。 物語は、アメリカ、ミシシッピー州の架空の土地ヨクナパトーファ郡に住む貧しい…

Y君のこと

亡くなったY君のことも書いておこう。彼のために。そして自分のために…。 Y君は1982年生まれで、九州南端のK県出身。私が彼と知り合ったのは、彼が古都の美大に通っていたころのことなので、知り合ってから約18年経つ。いろいろ好奇心旺盛で、コミケに興味が…

フォークナー『響きと怒り』を読む

ウィリアム・フォークナー(1897年~1962年)の『響きと怒り』(高橋正雄訳、講談社文庫)を読み終えた。これまでフランスをはじめとするヨーロッパの作家の小説はいろいろ読んでいるが、アメリカの作家のものはあまり読んでいないことに気づき、最近は意図的に…

なぜ?

先日、友人が38歳で亡くなった。先月まで、これまでの自分の生き方を振り返って小説を書くと頑張っており、突然のことだ。家族にも理由はわからないという。ひとはなぜ小説を書くのだろうか? ひとはなぜ小説を読むのだろうか? 残された私は、こたえなど分か…