本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

たくましいキルタンサスが開花


南アフリカに自生している球根植物キルタンサス・ファルカトゥス(Cyrtanthus falcatus)が咲いた。ヒガンバナ科で、南アフリカの東端クワズール・ナタル州に自生。南アフリカのキルタンサス自生地域は広く、地域によって生育サイクルが異なるが、ファルカトゥスが自生しているクワズール・ナタル州はインド洋に面していて、モンスーン気候で春夏に雨が降り、秋冬は少雨なので、ファルカトゥスは、春から夏にかけて生長し、秋冬に休眠する。草丈(花茎)は約30cmで、太い。緑がかったオレンジ色の集合花が下向きに咲く。球根は比較的大きい。ファルカトゥスはラテン語の「鎌形をした」という意味で、花茎が曲がっている形状に由来する。

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たくましさを感じさせるキルタンサス・ファルカトゥス

寓居では、秋から水やりを控えめにして、冬はまったく水を与えずに休眠させたが、春になって急に芽を出したので、あわてて水を与えたところ、すぐに開花した。休眠からさめると葉が出る前に開花し、開花後に葉が伸びて次の年の開花に備えるという生長サイクルは、時期は逆でも日本のヒガンバナ(Lycoris radiata)の性質とよく似ている。

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2019年に植えた種から生長した子株

こちらは2019年に採集した種子から生長した子株。この分で行くと、開花株になるまでは10年くらいかかりそうだ。