本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

2022-04-15から1日間の記事一覧

構成がすごい丸谷才一の『樹影譚』

丸谷才一の『樹影譚』(文春文庫、1991年)を読んだ。「鈍感な青年」「樹影譚」「夢を買ひます」の3篇からなる短編小説集だ。 最初の「鈍感な青年」は私が鈍感なせいか良さがよく分からなかったが、表題作「樹影譚」と「夢を買ひます」はとてもおもしろかった…

砂川文次『ブラックボックス』を読む

砂川文次の新作小説『ブラックボックス』(講談社、2022年)を読んだ。今年はじめの第166回芥川賞受賞作だ。砂川文次の作品が気になったのは、前作『戦場のレビヤタン』(文藝春秋、2019年)の記事でも書いたが、自衛隊に入隊し、退官後に小説を書き始めたという…

独特の形のムサシアブミ(武蔵鐙)が開花

庭に植えたムサシアブミ(武蔵鐙、Arisaema ringens)が咲き始めた。日本と近隣の東アジアに自生しているサトイモ科植物で、日本の自生地は近畿地方以西。テンナンショウ属の植物だが、そのなかでは花のように見える仏炎苞の形が独特で、馬具の鐙をひっくり返…

ふしぎな形のムロウテンナンショウ(室生天南星)が開花

小雨のなか、独特のふしぎな形をしたムロウテンナンショウ(室生天南星、Arisaema yamatense)が開花した。テンナンショウは、日本をはじめとするアジアや北米の一部に自生するサトイモ科の植物。地域によってさまざまな変異があり、このムロウテンナンショウ…