本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

鮮明な青紫のモラエア・ロウブセリが開花

アヤメ科の球根植物モラエア・ロウブセリ(Moraea loubseri)が開花した。南アフリカ西ケープ地方州海岸部の都市ランゲバーン(Langebaan)付近の一部地域のみに自生している貴重種。葉は細長く、花茎の高さは30cmくらい。 花は直径3cmくらい。花色は鮮明な青紫で、花弁の蜜標にビロードのような繊毛が生えている。

限定された地域のみに自生しているためこの種が知られたのは比較的遅く、初めて記録されたのは1973年。種小名は発見者のJohan Loubserにちなむ。

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鮮明な青紫のモラエア・ロウブセリ

ちなみに南アフリカの西岸には、南極還流から分岐したベンゲラ海流がアフリカ大陸の沿岸沿いに赤道付近まで流れている。この海流はもちろん寒流で、温度が低いだけでなく、水蒸気の蒸発量が少なく、沿岸部の降水量も少なくなる(ナミブ砂漠が形成されたのもこのため)。また、雨季は秋から冬にかけてで、春から夏は乾季となる。これらは、この地域に自生している植物を栽培するときに考慮しなくてはならない絶対条件だ。