南アフリカに自生しているアヤメ科球根植物バビアナのなかで、室内で育てているバビアナ・セダルベルゲンシス(Babiana cedarbergensis)がいち早く咲き出した。
球根が増えたので去年の秋に2鉢に分けたが、どちらも薄紫色で細長い花弁の花を根本近くに固まって咲かせている。
1本の花茎に数輪の花を咲かせる。6枚の花弁のうち、下方の3枚には斑が入っている。花の形状は左右対称で、1枚の花弁の長さは3cmほどだが、それが左右に広がるので大きく見える。淡い色合いと細くやや波打った花弁のバランスがみごとで、とても優雅に見える。またかすかな甘い芳香がある。葉はやや幅広く縦の葉脈がはっきり見える。
この種は、ケープタウンの約300km北にあるセダバーグ(セダルベルク)山脈の1,000m以上の高地に自生。植物の種小名はcedarbergensisだが、地名の綴りはCederberg。https://www.southafrica.net/uk/en/travel/article/the-cederberg-western-cape
南アフリカ、カリフォルニア、チリ、オーストラリアと、球根植物の自生地はおいしいワインの産地と重なることが多いのだが、この地域でも「セダバーグ・ワイン」という良いワインができる。
https://masuda-jp.com/brand/?p=69
他に育てているバビアナは2種。
バビアナ・アンビグア(Babiana ambigua)は蕾がふくらんできており、もうすぐ開花しそうだ。こちらは南アフリカの中でもセダルベルゲンシスより広い地域に分布。
もう1種類、バビアナ・ブレンダ(Babiana blenda)は、2020年10月に種を播いたのだが、まだ小株の段階で、成長が非常に遅い。こちらは南西ケープに自生。