翌8日は早朝に目が覚めた。この日の金沢は、曇りで肌寒い。
起き出してまず気になったのは『精神について』の校正。しかし環境がかわったせいか、疲労のせいか、あまり集中できなかったので、やむなく、金沢市内を見物することにした。
まず向かったのは、前田利家とまつを祀る尾山神社。ホテルの200mほど先を右にまがると、すぐに独特の形をした門が見えてきた。
こちらは尾山神社の拝殿。境内のあちらこちらに梅が植えてあるが、考えてみたら、前田家の本姓は<菅原>なので、梅とは切っても切れない縁だ。
尾山神社の境内を抜けると、すぐに金沢城の鼠多門。この門は最近再建されたばかりという。
ここからから城内にはいると、すぐ目の前に玉泉院丸庭園が広がっていた。兼六園が来客用の外向きの庭であるのに対し、こちらは前田家の自分たち用の庭だという。
庭園の裏から二の丸に向かったが、よく見ると、一月の地震で崩れた石垣も目についた。
金沢城は何度が大火にあっており、天守閣は、江戸時代に焼失したまま再建されていない。ともかく本丸跡の高台まで行くと、二の丸の橋爪門と五十間長屋が見下ろせた。