本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

イタリアの国民的文学、マンゾーニ『いいなづけ』を読む

19世紀イタリアを代表する作家アレッサンドロ・マンゾーニの『いいなづけ』(平川祐弘氏訳、河出文庫、2006年)を読んだ。スペインに支配されていた17世紀のミラノ公国(当翻訳ではミラーノと表記されている)の田舎町レッコに住む若い男女が結婚し家庭を築くま…

『ベッカリーアとイタリア啓蒙』を再読

堀田誠三氏のほ(名古屋大学出版会、1996年)を部分的に再読した。今回読んだのは本書の後半で、ピエトロ・ヴェッリ(1728年~97年)、チェーザレ・ベッカリーア(1738年~94年)の思想を紹介した第二部「ミラノにおける啓蒙思想の展開」だ。 フランス思想を受けい…

フーコー『監獄の誕生 監視と処罰』を読む

ミシェル・フーコーの代表作の一つ『監獄の誕生 監視と処罰』(1975年、田村淑氏訳、新潮社、1977年、以下『監視と処罰』と略記)を読んだ。『監視と処罰』を読むのは今回が初めてかとおもっていたら、巻末に1992年読了と自分の書き込みがあった。なので今回が…

警察の歴史をコンパクトにまとめた『警察の誕生』

『警察の誕生』(菊池 良生、集英社新書、2010年)を読んだ。日本とヨーロッパの<警察>の歴史をコンパクトにまとめた本だ。 はじめに用語について説明しておくと、日本語の<警察(いわゆるポリス)>は明治以降に生まれた概念(行政組織)で、菊池氏が書いていると…