本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ベッカリーアとイタリア啓蒙』を読む

堀田誠三氏の『ベッカリーアとイタリア啓蒙』(名古屋大学出版会、1996年)を読んだ。著者は、日本におけるイタリア啓蒙思想研究の第一人者。本書の叙述の中心はタイトルにもなっているチェーザレ・ベッカリーア(1738年~94年)の思想だが、他にルドヴィコ・ア…

『ヴェネツィアの歴史 共和国の残照』を読む

『ヴェネツィアの歴史 共和国の残照』(永井三明、刀水書房、2004年)を読んだ。タイトルのとおり、697年の誕生から1797年の滅亡まで、ヴェネツィア共和国の11世紀の歴史を描いた作品だ。 ヴェネツィアの社会相が詳細に描かれている とはいえ、この作品は、時…

『大黒屋光太夫、帝政ロシア漂流の物語』を読む

『大黒屋光太夫 帝政ロシア漂流の物語』(山下恒夫、岩波新書、2004年)を読んだ。天明二年(1782年)に駿河湾沖で遭難してアリューシャン列島のアムチトカ島に流され、さまざまな苦難の末に寛政四年(1792年)日本に帰還した伊勢の船頭・大黒屋光太夫(宝暦元年<17…

フランス植民地時代のヴェトナムを舞台にした映画『インドシナ』

DVDでフランス映画『インドシナ』(レジス・ヴァルニエ監督、1992年)を観た。フランスが植民地として支配していた1930年代のヴェトナムを舞台にした作品だ。 1930年代のヴェトナムを描いた『インドシナ』 ヴェトナムの大ゴム園の領主エリアーヌ(カトリーヌ・…

『ニッポン人異国漂流記』を読む

小林茂文氏の『ニッポン人異国漂流記』(小学館、2000年)を読んだ。鎖国中の江戸時代に、暴風雨のために漂流して外国に流れ着き、そこから帰還した人々の記録を読み解いて、彼らが何を感じたのか、また彼らの記録を読んだり話を聞いたりした当時の人々はそこ…

訳書が書店に並ぶ

昨日、アルバイトの帰りに新宿の紀伊國屋書店を覗いたら、<哲学・思想>の売場の新刊コーナーに、小訳『精神について』(仮題)が並んでいた。出版までいろいろなことがあったが、時間をかけて翻訳した甲斐がある。 訳書が書店に並び始めた ようやく出版までこ…

『16~18世紀ヨーロッパ像 日本というプリズムを通して見る』を読む

マルセル・プルーストに続いては、シャック・プルースト(1926年~2005年)の『16~18世紀ヨーロッパ像 日本というプリズムを通して見る』(山本淳一訳、岩波書店、1999年)を読んだ。 J・プルーストの力作『16~18世紀ヨーロッパ像 日本というプリズムを通して…