本と植物と日常

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小さなラケナリア・プシラが開花

小さくてほとんど目立たないが、ラケナリア・プシラ(Lachenalia pusilla)?が開花した。キジカクシ科で、南アフリカケープタウン付近に自生。

小さなラケナリア・プシラが開花。雄蕊だけがよく目立つ

突き出している雄蕊の長さは約5mm。個々の花は細長いのだが、その基部から雄蕊の先までも1cmくらいしかない。花弁(花びら)はほとんど退化しており、雄蕊だけがよく目立つ。南アフリカの植物では、ヒガンバナ科のブルンスヴィギアにも花弁がほとんど退化しているタイプがあり、ラケナリア・プシラの花弁が退化しているのは、気候や受粉が関係しているのかもしれない。ラケナリアの大半は春に咲くが、秋に咲くという点でも他のラケナリアとは性質が異なっている。

ただし手持ちのGraham Dunkun監修の図鑑(キュー・ガーデン発行)に載っているラケナリア・プシラの葉はもっと幅広く、もしかすると現在開花している寓居のラケナリアは、プシラと近縁のバルケリアナ(barkeriana)かもしれない。バルケリアナの自生地は、プシラよりも北。もっとも、私がいつも参照しているPucific Bulb Societyのサイトには、ラケナリア・バルケリアという項目はなく、私が栽培しているような葉が細長いタイプもプシラに含まれている。このあたりは、分類そのものがまだはっきり確立されていないということなのだろう。

ちなみに、種小名の「pusilla」は、ラテン語で「ごく小さい」という意味。