本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

裏庭でイチハツが満開になる

裏庭でイチハツ(Iris tectorum)が満開になった。以前から名前だけは知っていたが実際に見たことがなかったので、どんな植物なのか、他のアヤメ属の植物(アヤメ、ハナショウブカキツバタ等)とはどう違うのかを見てみたいとおもったのが、栽培のきっかけ。2年前に数株植えたのが、うまく根づいたらしい。

すぐそばでよく見ると、いわゆるアヤメなどに比べて花弁が垂れずに横に広がり、上から見ると角ばったような感じ。また外側の花弁の中央には鶏のトサカのような突起がある。寓居のイチハツの花色は薄紫でさわやかだが、白花のタイプもある。他のアヤメ科植物と同様、個々の花の開花期間は1~2日と短いが、蕾が次々に開くので、にぎやかだ。

満開のイチハツ。薄紫でさわやか。

日本で普通に見かけるアヤメ属の植物のなかでは一番先に咲くのが、イチハツ(一初)という和名の由来。他に中国から伝わった「鳶尾」という名称もあるが、これは広がった葉が鳶の尾の形と似ているというのでつけられたのではないだろうか(アヤメ科植物の葉は、一般的に横並びで扇型につく)。

花弁が下に垂れないので、花は角ばった感じで、外側の花弁中央に突起がある

イチハツは室町時代頃に中国から移入された帰化植物だが、家を守る効果があると信じられ、かつては屋根の上に植えられていた。このため英名は「Roof Iris」という。学名の種小辞「tectorum」も「屋根の」という意味の形容詞。

栽培上の注意としてき、ショウガのような太い根(根茎)を地中に埋めてしまわず、半分ほど露出させること。屋根の上で育つほどなので、水はほとんどやらなくてもいい。