本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

新たな翻訳に着手

このところ痛風による体調不良でアルバイトを休んでずっと家に閉じこもっているが、その間何もしないのは時間が無駄のような気がして、去年翻訳・出版した『ポーランド問題について』の前提になる『ポーランドの政治システムについて』(仮題)の翻訳に着手した。

新たな翻訳作業に着手

ポーランド問題について』も『ポーランドの政治システムについて』も同じ著者によるもので、1768年に始まったロシアのポーランド侵略に際して、ポーランドの特使がパリに派遣され、フランスを代表する政治思想家たちに対して、侵略に対抗できるポーランド改革案提案を依頼したことが両作品執筆のきっかけになっている。改革案『ポーランドの政治システムについて』が出版されたのはフランス革命間近の18世紀末だが、実際には、ロシアの侵略でポーランドが危機状態にあった1770年~71年にかけて書かれている。その後ポーランド貴族の招待で著者は実際にポーランドを訪問しており、その際に書かれたのが先に翻訳した『ポーランド問題について』だ。いずれは、『ポーランドの政治システムについて』と『ポーランド問題について』をまとめて、ポーランド問題に関するフランス政治思想家の具体的な反応として1冊の本として出版したい(『ポーランド問題について』出版には、そのための手がかりという意味がある)。

ともかく、『ポーランドの政治システムについて』は全編ロシアの侵略に対する非難に満ちているので、冒頭の部分を読んでいると、まるで現在のウクライナへの提言という気もしてくる(18世紀当時のポーランドの領土は、現在のウクライナ西部を含んでいる)。