本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

翻訳の出版スケジュールの連絡

昨日、古都の大学の出版担当者から『精神について』の出版スケジュールについて連絡があった。それによれば、今月末か遅くとも8月7日まで初校ゲラが私の手許に届くよう手配し、12月中旬に出版して書店に並ぶようにしたいということだ。4月の連絡では9月に出版したいということで、その後何も連絡がなかったのでどうなることかとおもっていたのだが、これでまずは一安心。

フランス革命前に出版された原本と私が使ったテクスト

以前も書いたが、私が単独で『精神について』の翻訳を始めたのが2006年頃。2008年に古都の大学からその翻訳を大学から出版しないかというはたらきかけがあり、大学からの出版を前提に最初の訳稿を作成した。その後、大学側からは、某大学の准教授といっしょに作業をして欲しいという依頼があり、私はそれを承諾したのだが、准教授と私の翻訳に関する考え方の違い(訳語の選択等)から、一緒に翻訳を進めるのは困難と判断し、私は翻訳から身を引いた。

ところが去年、その准教授から新しい訳稿ができたという連絡があってその原稿が送られてきたので、奇妙な共同作業が新たに始まった。

まずは送られてきた訳稿にすべて目を通し、修正すべき箇所を指摘した。訳稿そのものはやはり私と考え方が違っていて、私だったらそうは訳さないという箇所がかなりあるのだが、今さらそれを言い出しても始まらないので、修正は必要最小限にとどめ、その修正案を採用するかどうかは相手の判断にまかせた(それらを修正すべきかどうか話し合っていたら、おそらく修正作業は終わらなかっただろう)。

そして古都の大学から出版予定の連絡があったのが今年の4月。その時点では9月に出版したいということだったが、分厚い本なので、作業が遅れたのだろう。

今後のスケジュールはだいたい次のとおり。

今月末か遅くとも8月7日まで初稿を出力して送付。

9月20日まで初校校正。

10月5日~25日に再校校正。

11月初めに3校出力&索引作成。

11月17日校了

これで12月中旬に出版だ。

初校ゲラが届く8月以降まだ忙しくなるが(場合によってはアルバイトを休む必要が出てくるかもしれない)、そうした忙しさなら大歓迎。

『精神について』は、フランス革命前のルイ15世時代に出版され、その直後に危険な本として出版停止になり物議をかもした作品だが、考えて見たら今日は7月14日でフランス革命記念日(パリ祭)。これも何かの縁かもしれない。