北鎌倉から歩いて鎌倉方面に向かったが、途中で右に折れ、かつて山を切り開いて往還路にした亀ヶ谷坂切通しで寄り道をした。鎌倉に向かう現在の本道は、観光客がぞろぞろ歩いていたが、切通しはほとんど人が通らない。しかも暗くてひんやりしていて別の世界に紛れ込んだような感じだ。
妹と「夜は怖いだろうね」などと話しながら細い道をすすんだが、斜面にはアジサイがたくさん咲いていて、明月院を素通りしたことの埋め合わせになった。また道の片側の斜面に小さな紫色の花が咲いており、近づいてみたら岩タバコだった。岩タバコが自生しているのを見たのは初めてで、得した気分。
切り通りを少し進むと道が開けて住宅地になり、日蓮宗の薬王寺を参詣した。薬王寺は観光ルートからはずれているので、参詣者はだれもおらず、静かなたたずまいのなかで古寺巡礼の気分にひたることができた。
薬王寺参詣後は、切通しを引き返して本道に戻り、建長寺を参詣した。建長寺を参詣したのは久しぶりで、仏殿、法堂、方丈を順に廻って、有名な庭園を見てしばしのんびり過ごした。寺院の奥にあるのが秘仏の像などではなく、庭だというのがいかにも禅宗寺院らしい。庭を眺めながら心を開放せよということだろうか。
建長寺を参詣した後は、定番どおり鶴岡八幡宮を参詣して観光終了。
八幡宮を出たら五時過ぎになっていた。