本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

読書日記(イギリス文学)

アーチャー『レンブラントをとり返せ』を読む

ジェフリー・アーチャー(1940年生)の小説『レンブラントをとり返せ ロンドン警視庁美術骨董捜査班』(2020年、戸田裕之訳、新潮文庫)を読み終えた。大作「クリフトン年代記」を書き上げたアーチャーが、次のシリーズ物として執筆した<ロンドン警視庁>物の第一…

<人間>不在?の『ロスノフスキ家の娘』

ジェフリー・アーチャー(1940年生)の4作目の小説『ロスノフスキ家の娘』(1982年、永井淳訳、新潮文庫)を読み終えた。 この作品の主人公は前作『ケインとアベル』の主人公アベル・ロスノフスキの一人娘フロレンティナ・ロスノフスキ。彼女の生い立ち、結婚及…

構成は工夫しているが大味な『ケインとアベル』

ジェフリー・アーチャー(1940年生)の3作目の長編小説『ケインとアベル』(1981年、永井淳訳、新潮文庫)を読んだ。1906年4月の同日に生まれたという設定のヴワデク・コスキェヴィチとウィリアム・ケインの二人の男の人生が交錯する様を描いた長編で、作品タイ…

読みながら電車を乗り過ごすほどおもしろい『大統領に知らせますか?』

『百万ドルをとり返せ!』に続いて、ジェフリー・アーチャー(1940年生)の2作目の小説『大統領に知らせますか?』(永井淳訳、新潮文庫)を読んだ。この作品には、オリジナル版(1977年)と新版(1987年)があり、私が読んだのは新版の方。巻末につけられた訳者付記に…

大どんでん返しにびっくりした『百万ドルをとり返せ!』

自分が参加している学会大会が終わったので、気分転換にジェフリー・アーチャー(1940年生)の小説『百万ドルをとり返せ!』(1976年、永井淳訳、新潮文庫)を読んだ。 人気作品なのでお読みになった方も多いとおもうが、アーチャーは元々イギリスの政治家で、幽…