本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

ポーランド広報文化センターから本をいただく

東京のポーランド広報文化センターに小訳『分割されたポーランドを訪ねて』をお送りしたところ、その返礼にと、同センター所長名で『素粒子、象とピエロギとーー101語のポーランド』というユニークなポーランド紹介の本をいただいた。

ポーランドについてのユニークな紹介本『素粒子、象とピエロギと』

この本は、タイトルも変わっているのだが、ちょっと類例のないような本で、裏表紙によれば、そのコンセプトは、「ある国の本質を、わずか100語で伝えることができるでしょうか? 私たちは、できると考えます。『素粒子、象とピエロギとーー101語のポーランド』を読めば、不可思議な歴史をたどってきたこの国に、きっと恋をするでしょう」というもの。ポーランド語からアトランダムに101の単語を選んでアルファベット順に並べ、それぞれの単語にショート・エッセーをつけて、そのばらばらのエッセーからポーランドの全体像を浮かび上がらせようという試みだ。選ばれた単語は、たとえば「ハクション(Apsik)」「コウノトリ(Bocian)」「英雄(Bohater)」「建物(Budynek)」「パン(Chleb)」で、ほんとうに脈絡がない。この本からすれば、そうした単語がポーランドを知るための素粒子ということなのだろう。

しかし実際に読んでみると、それぞれのエッセーは情緒に流されず、またポーランドを美化することもない抑制されたもので、書き手の知性を感じさせる。そして一見バラバラに見える断片から、自然に、ポーランドという大きな結晶体の姿が見えてくる。

挿絵や装丁もかわいらしく、気が利いている。

宣伝臭を感じさせない優れたポーランドの紹介本だ。

https://culture.pl/jp/article/quarks-elephants-pierogi-poland-in-100-words-japanese-edition