本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

元旦は常磐津を聴く

元旦の朝、まずはじめに聴いた音楽は純邦楽で、すべて常磐津。上が「将門(まさかど)」、下の2種が「関の扉(せきのと)」で、どちらも私が好きな演目だ。

上が「将門」、下が「関の扉」

「将門」は、平将門没後の話で、将門の娘がひそかにかたき討ちにやってきて、蝦蟇の妖術を使って追討使・大宅太郎光圀と闘うという物語。この将門の娘は瀧夜叉と言い、光圀をあざむくために、はじめ如月という変名で登場する。私のHN<如月>は、この話からとっている(笑)。
ちなみに「将門」という演目は現在この瀧夜叉の場面しか残っていないのだが、芝居全体の外題は『忍夜恋曲者』。読むのはかなり難しい。

「関の扉」は、雪が積もった逢坂山の関所が舞台で、大雪のなかで桜の古木が咲いている。物語はこの桜の精・墨染が大伴黒主の陰謀を阻止するという話。

「将門」も「関の扉」も歌舞伎舞踊の大曲でめったに上演されないが、妖術や屋台崩しという大掛かりな舞台装置を使うので、見どころが多い。

私が聴いたCDの主要演者は、「関の扉」(下右)が常磐津三東勢太夫で、「将門」と「関の扉」(下左)がその弟の常磐津千東勢太夫

『忍夜恋曲者』の読み方は<しのびよるこいはくせもの>。読めましたか?