本日の南関東は梅雨の中休みで、やや蒸し暑いものの好天だ。庭を見回ったところ、天南星(Arisaema)に新しい動きがみられた。
さて、Arisaemaはサトイモ科の植物で、多湿なモンスーン気候の東アジアがおもな自生地。天南星(テンナンショウ)はその中国名で、中国では塊根が漢方の生薬に用いられる。また日本にも各地にさまざまな種類のArisaemaが自生しており、マムシグサなどの名前で呼ばれている。
寓居では日本に自生している数種類の天南星を庭に地植えしているが、すでに花期は終わっている(だいたい早春に開花)。それ以外に、国外の天南星を数種鉢植えで育てているが、それらが発芽し始めた。

こちらは関西地方の林などに自生しているArisaema yamatense(室生天南星)。3月くらいに開花し、現在はトウモロコシのように固まった種子がふくらみはじめている。この種子はもう少し大きくなり、秋に赤く熟す。それを鳥が食べて新しい土地に種を落とし、落ちた種は、生育に適した土地であればそこで発芽し、数年かけて親株になる。Arisaemaは全般的に生育サイクルが長く、世代交代に時間がかかる。

こちらは、Arisaema fargesii(アリサエマ・ファーゲシイ)。チベットや雲南、ヒマラヤ地方に自生している。この地域はどのような季節に雨が降るのか、そもそも雨がどのくらい降るのかといった状況がよく分からず、水やりの判断が難しい。とりあえず、地上部が枯れたあとは水を与えずに乾燥した鉢植えの状態で保管し、5月末くらいから水やりを再開したところ、今日見たら新芽が伸びていた。とりあえずこの状態で適度に潅水し生育を見守ろうとおもう。

こちらはArisaeme flavum(アリサエマ・フラブム)。Flavumという言葉は<黄色の>というラテン語の形容詞で、花のように見える仏炎苞が黄色いのが学名の由来。日本では黄花天南星と呼ばれることが多い。この天南星は、他の天南星と自生地がまったく異なり、エチオピア高原、アラビア半島、シルクロードなどの乾燥地帯に自生している。このため、これまた生育環境がよく分からず、栽培・管理は手探り状態。とりあえず、Arisaema fargesiiと同じように冬季は完全に乾燥させ、5月末くらいから水やりを再開したところ、新芽が伸びてきた。ただしこちらは若い株なので、3枚に割れた葉が1茎見えているだけで花茎らしいものは見えない。伸びたり枯れたりを繰り返しながら数年かけて成株になり黄色い花をつける。それまで辛抱強く育てていくしかない。