本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

地中海沿岸のヒガンバナ科植物が開花

ヒガンバナ科植物の季節になった。

アキスは満開で風に揺れている

鉢植えでは、イベリア半島からモロッコにかけて自生しているアキス・オータムナリス(Acis autumnalis、旧名<秋咲きスノーフレーク>)が満開。細い花茎の先で、花がゆらゆら揺れてかわいい。日本のヒガンバナと同じように、まずは花だけが顔を出して、葉は後から伸びてくる。

パンクラテイウムの花茎が伸びてきた

レバノンからエジプトにかけての東地中海の沿岸地域に自生しているパンクラティウム・シッケンベルゲリ(Pancratium sickenbergeri)も、無事に夏を乗り切って花茎を伸ばし始めた。

この植物は育て方がよく分からず、半乾燥地帯の植物だからと、春に葉が枯れてからはまったく水をやらずに屋外で管理した。去年は晩夏に花が咲いたが、今年は秋になっても変化がなく、枯れ死したかと心配していたので一安心。

アキスとパンクラティウムは、ヒガンバナ科植物のなかでもユーラシア系統群(Eurasian clade)に分類され近縁。この系統群には、他に水仙連、ヒガンバナ(リコリス)連が含まれる。アキス、パンクラティウム水仙は、他のヒガンバナ科植物から分かれて、夏に雨が少なくて生育に適した地中海沿岸地方で独自の進化をとげたのだろう。