去年6月に大阪を訪問したとき、中之島付近をあちらこちらと散策して、大阪は水の都だと実感したのだが、今回はその水の都を満喫するため、水上バス・アクアライナーに乗って大川(旧淀川)を周遊することにした。

大川周遊の水上バスの乗り場(港)は2カ所あるのだが、21日朝、私は梅田に近い八軒家浜船着場から乗船した。近松門左衛門が『心中天網島』のなかに「南へ渡る橋柱、数も限らぬ家々を、いかに名づけて八軒屋、誰とふし見の下り船、着かぬうちにと道急ぐ」と書き記したのは、この八軒家浜船着場で、江戸時代には、伏見(京)から大坂への船は、ここに着いた。ちなみに、大川周遊のコース周辺は、『心中天網島』ゆかりの地でもある。そういえば、『心中天網島』の小春・治兵衛の道行文は「名残の橋づくし」ということで、今回のコースのなかの橋がたくさん出てくる。

さて午前10時半、八軒家浜船着場を出発。55分間のクルージングだ。2月なので、寒さが心配だったが、船は屋根付きで、風などの心配は無用だった。また屋根が透明なので、全方向から河辺の光景が楽しめた。前方に見えるのは天満橋。近松は、<天満>を<天魔>にかけて、「この世を捨てて行く身には、聞くも恐ろし天ま橋」と書いた。

天満橋をの下をくぐって俗世に戻ると、見えてきたのは、桜の季節の通り抜けで有名な大阪造幣局。

大川をさらに遡っていくと、今度は桜宮橋が見えてきた。大川というだけあって、川幅も広い。

船は桜宮橋の下を通過。橋を普段見ることができない下から見られるというのも、このクルージングのおもしろさ。

桜宮橋で折り返すと、近代的で瀟洒なデザインの川崎橋が見えてきた。私は川崎市に住んでいるのでこの橋の名前が気になったのだが、付近の古い町名が川崎町だったのが橋の名前の由来とのこと。歩行者と自転車専用の橋だ。川崎橋の東岸が『心中天網島』の最後の舞台、網島町。八軒家浜から、ほんとうに近い。

川崎橋を潜り抜けたところで急旋回して船は第二寝屋川に入り、大阪城港に寄港。停船してお客さんを乗せる短い時間を利用して、景色がきれいに見れるようにと、乗務員がせっせと船の天井を掃除していた。

さて、大阪城港を出るとすぐ、大阪城の石垣の向こうに大阪城の天守閣が見えてきた。画像中央の三角屋根の建物が天守閣。

第二寝屋川を下って土佐堀川に入ると、やがて淀屋橋が見えてきた。淀屋橋の手前で、船は折り返し。

去年散歩した中之島を、今回は水上からのんびり展望。こちらは大阪市中央公会堂。

続いては昨年訪問した東洋陶磁美術館。

「いや~、快適。」背景の橋は難波橋。

今度は天神橋すれすれをくぐる。迫力満点。

1時間弱の周遊が終わり、11時半少し前に、船は出発点の八軒家浜船着場に戻ってきた。

私が下船すると、新しい客を乗せて、船はまた大阪城港を目指して、大川を上っていく。地上から見るのとは一味違った大阪の風景が目の前にどんどん広がって、いや~、爽快だった。
【アクアライナー】