本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

2通の葉書

昨日、2通の葉書が届いた。

届いたばかりの2通の葉書

1通は、4年前に亡くなった若い友人Mくんのご両親からの葉書で、親族が亡くなったので今年は年賀状を遠慮するという内容のもの。亡くなった親族の方どころか、私はMくんのご両親にもまだお会いしたことがないのだが、気をつかって連絡をくださるというのは、Mくんとの縁が続いているようでうれしい。Mくんは、今年7月に出版した翻訳作品『精神について』に私が注目して、出版できるかどうかも分からず翻訳を始めた当初からの経緯をすべて知っていた、というか、いろいろ迷うたびに私が相談していた大切な相手だった。亡くなったのはちょうどコロナ騒動が始まった頃で、旅行などおもいもよらず、葬儀も近くに住む親族が集まっただけの簡素なものだったらしい。その後私は、お墓参りもしないままになっているのだが、来年こそはお墓参りに行って、本ができたことをきちんと報告しておきたい。

もう1通の葉書は、高校時代からの友人Kくんからのもので、上にも書いた『精神について』の礼状だった。Kくんは文学研究者で著書も複数あり、本を出すたびに私に送ってくれるので、返礼に私も『精神について』を送っておいた。しかし本が届いたという連絡が何もなかったので、昔の友人だし、もう30年くらい会っていないので気持ちが薄れてもしかたがないかなと思っていた。そうしたなかで、タイミングはズレたが礼状が届いたのはうれしい。読むと病気で入院していて本が届いたのに気づくのが遅くなったとある。本を送ったのは7月の出版直後なので、だいぶ長い入院ということになる。こちらからも、見舞いの手紙を出しておこう。

まあ私は、自分では元気なつもりでおり、これまで病気で入院した経験がないのだが、同級生の長期入院をきくと、自分もいつ何が起こらないとも限らないとおもう。まだまだいろいろなことができるというより、70歳になって、もういろいろな事ができる時間は限られてきているのだ。時間をむだにしないで、やるべきこと(私の場合は翻訳)をきちんとしておこうという気持ちをあらたにした。