『精神について』第三部第一分冊の校正を第二稿の翻訳者に送った。これで、全体の約二分の一の校正が終了ということになる。やれやれと言うべきか、まだまだと言うべきか…。
アルバイトを再開すると校正にあまり時間が割けなくなるので、残りの校正も急がなくてはとおもっているのだが、精神の話だけに、読んでも読んでも同じような抽象的な話題が続き、さすがにちょっと疲れてきた。
ちなみに、今回は「友情について」という章を校正したので、そのなかから、著者の主張をすこし紹介しておこう。
「愛するとは欲求を抱くことである。欲求なくして友情はない。(Aimer, c’est avoir besoin. Nulle amitié sans besoin.)」
「友情とは相互の必要であると考えれば、長い時間が経つと、同じ必要、したがって同じ友情が二人の人間のあいだに継続することは非常に困難である。それゆえ、古い友情ほど稀なものはない。」
「友情は必要を前提とする。必要が大きければ、友情は強いだろう。」
「金銭のためにしかわれわれを愛さない、利害にもとづく友情を抱いた者を友人のうちに数え上げるべきではないと、今まで次から次に繰り返されることに、ひとは死ぬほどうんざりしてきた。この種の友情は、たしかに、もっとも満足すべきものではない。しかしそれでも真の友情であることに変わりはない。」
友情も、ここまでつきつめると、すごいというしかない!