本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

校正が約4割終わる

『精神について』第二部の残りの部分の校正が終わり、きりがいいので、第二稿の訳者に送った。この本は4部構成で、残りは2部。ただし第三部の分量が多いので、第二部まででは、まだ全体の4割弱だ。

コルネイユのセリフの訳も見直し

今回校正した部分のなかにはコルネイユの戯曲からの引用が1行あったので、その部分は、校正というより、自分なりに訳しなおしてみた。これは難しいけど面白かった。

 

【原文】

Pour être plus qu'un roi, tu te crois quelque chose !

【第二稿】

王を超えた存在であるために、あなたは自分をひとかどの人物だと思っているのか。

 

【私案】

王を超えた存在になるですって。あなたはご自分をひとかどの人物だとお考えなのでしょうか。

 

このセリフは原作の直前の行と深くかかわっているので、この1行だけだと訳すのがとても難しい。私案の可否はともかく、戯曲からの引用は、セリフらしく訳した方がよいのではないかと思うのだが…。

また今回も、この引用以外にも細かい校正がかなりあり、原稿に書ききれない箇所は、別紙に「私案」を打ち込み、同封した。

難しい文章が出てきて頭が溶けそうになるたびに、問題解決のため近所のサウナ付き銭湯に行くので、今回の校正はほんとうに風呂代がかさむ(笑)。

いずれにしても、ポーランド問題についての作品の出版も控えているので、『精神について』の校正はとりあえずここで小休止し、頭を切り替えて、別の校正等に取り組む予定だ。