本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

もうすぐ訳了

気がついたら、去年の11月にはじめたポーランド史関係の本の翻訳が、残りあと5頁半になっていた。1日に1頁訳すとして、あと約5日で訳了だ。今日もう少しがんばって残りをあと4頁くらいにして、明日でなんとか目鼻をつけたい。訳了しても、訳の見直しや解説を書く作業があるので、翻訳にかかわる作業がすべて終わるわけではないのだが、それでもこれでようやく一息つける。

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ポーランド史関係の本がもうすぐ訳了

とはいえ、作品全体の結びに近づいて文章に力が入るのはいいのだが、そのあまりに、おそろしく長い文章が出てくるので、そのたびに翻訳者としてはため息がでる。たとえば、著者は分割直後のポーランドの困難な政治状況を、カエサルが主導権を握り帝政へと進んでいく共和政末期のローマと比較しているのだが、それはこんな感じだ。

ポンペイウス敗北のあとのキケロの行動よりも賢明で教訓的なものは何もないように私にはおもわれます。祖国の後見人的な天才であり、多大な勇気をもって劣悪な市民たちの企てから祖国を守り、揺れ動き崩壊しようとする共和国の基礎を堅固にするために休みなく努力したこの人間は、カエサルの勝利が元老院政務官たちに空虚な名前しか残さなかったとき、ひたすら隠遁しておりました。キケロにも野心がありましたが、野心のために幻想を抱くことはありませんでした。野心が、公益や祖国への愛という言葉を借りてもむだでした。また、野心が彼に次のようなことを示してもむだでした。それはつまり、こうした不幸な情況のなかでローマ人たちの運命を見限るべきではないし、権威の乱用の幾つかを停止させるために祖国の主人となったカエサルの懐に飛び込まないのは祖国への裏切りであり、公益のために名声を犠牲にし、臆面もなくもっとも忌まわしい不正を犯す準備を整えていたカエサルの追従者や取り巻きの手に政務が落ちないよう、諸問題にかかわる政務の下役を引き受けることは、デキウスのような人物たちの献身を模倣するだけでなく、さらにはこれらの偉大な人物たちを凌駕するものであるということです。」

いや~、疲れる!?