本と植物と日常

本を読んだり、訳したり、植物に水をやったりの日々…。

ポリクセナが開花

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地表すれすれに固まって咲くポリクセナ


ポリクセナ・エンシフォリア(Polyxena ensifolia)が咲いた。南アフリカのケープ地方に自生しているキジカクシ科の球根植物。9月に水やりを開始すると、ヒガンバナ科の幾つかの植物と同様にすぐに芽を出して10月~11月に開花する。草丈は15cm~20cmほどで、写真のように、花はやや幅広い2枚の葉の間に固まって咲く。花色は白とピンクがあり、私は両方育てているが、今回先に咲いたのは白花タイプ。

ポリクセナ属は分類が複雑で、これまで数種で独立した小さな属として扱われてきたが、近年、ラケナリア属の一種という分類が有力になってきている。ただし、一般的なラケナリアが、大半のキジカクシ科植物と同じように穂のような花茎に花がつくのに対し、ポリクセナは花茎があまり伸びず、地表近くに固まって咲いているように見えるという特徴がある。秋咲きという成育サイクルも、ポリクセナの特徴の一つ(ラケナリアの大半は春咲きで、葉が十分に成長してから、葉が集めたエネルギーで花が咲く)。

「エンシフォリア」という種小名は葉が剣のような形をしていることによる。なお、Polyxenaの日本語表記は「ポリキセナ」とされることが多いが、私は、ラテン語の発音に近い「ポリクセナ」で呼んでいる。